過去のお知らせ <税一般>

【給与or外注の判断基準その4】材料や道具は自前ですか?基準
2018年08月10日

自前です→外注
いいえ、会社の物を使います→給与

 前回に引き続き、第四回目は、「材料や道具は自前ですか?基準」です。
 請負契約の基本は「自己の計算」です。自己の計算とは、法律用語で、その意味は行為の経済的効果が自己に帰属、つまり、仕事に係る費用もその仕事によって得ることができる収益も全部自分のものという原則です。例えば、事務請負業で必要となるパソコンや文具等について、それは自分で購入し、自分の確定申告で費用として計上することになります。当然に事務請負に基づく請求額は自分の確定申告で収益として申告することになります。
 一方、給与の場合は、仕事で使う道具等は会社が支給するのが通常でしょう。仮に、使い慣れているという理由で個人が所有するパソコンを使用すれば、社内規定違反に問われるかもしれません。もちろん、給与所得者はその勤務先に仕事の対価を請求したりしません。
 尚、国税不服審判所の裁決事例を通覧すると、当該基準は給与or外注の判断要素の一つに過ぎないことがわかります。しかし、当該審判に当たって必ず検討する要素であることも伺えることから、検討基準として重要であることには変わり有りません。

【給与or外注の判断基準その3】結果と報酬は引き換えですか?基準
2018年07月22日

当然、引き換えです→外注
労務を提供しさえすれば報酬はもらえます→給与

 前回に引き続き、第三回目は、「結果と報酬は引き換えですか?基準」です。
 会社員の一般的なイメージとしては、人事考課はともかくとして、出勤して、労務の提供さえすれば当然の権利としてその対価が給与として支払われるといったものでしょう。
 例えば、工場で生産担当の従業員が、点検不足による機械の故障や段取りのミスで予定されていた製品を製造することができない場合、ペナルティーとして給与が減らされることは原則としてありません。何故なら、給与には法律で全額払の原則(労基法24条1項)が定められているからです。
 一方、外注の場合は、有形の成果物や無形のサービスを契約通りに納品又は提供することが要求されます。請負契約では業務完了の要件として、成果物やサービスの引渡が謳われていることが通常です。どのような理由があるにせよ、仕事を引き受けた者は依頼者に対して結果を引き渡す必要があります。
 裁決例をご紹介しましょう。いわゆる保険外交員が消費税法上の事業者に該当するか否かについての裁決(平成17年4月26日裁決)で、消費税についての更正処分と無申告加算税賦課決定処分が争われました。ここでも結果(保険契約の締結)と外交員が受ける報酬の関連性が事業者認定の一つの基準となっています。他の裁決例や判例と同様に、結果と報酬に関する相当の因果関係が認められれば、その報酬は請負契約に基づいて支払われたもの(外注費)と国税不服審判所は判断しているようです。
 ちなみにこの裁決は請求人棄却(国税側の勝ち。つまり当該報酬は給与所得ではなく事業所得であって、この保険外交員には消費税の納税義務有)の事案でした。

【給与or外注の判断基準その2】あなたの仕事のやり方、他人から指図されますか?基準
2018年07月13日

結果が全て。なんで指図されなきゃいけないの?→外注
指図通りにその場所で仕事をして、勤務すること自体に意味がある。→給与

 前回に引き続き、第二回目は、「あなたの仕事のやり方、他人から指図されますか?基準」です。
 請負や委任といった外注は、仕事を引き受けた者が自己責任で危険負担を伴って業務を遂行します。したがって、依頼者から仕事の進め方について細かな指図や命令をされることはありません。指図や命令をされた上、その結果について責任を負わされることは道理に合わないからです。
 例えば、独立した税理士が依頼人から脱税のほう助を指示された場合には、普通の税理士であれば断るか、その契約自体を解消します。これが外注です。
 一方、税理士資格を有する従業員であればどうでしょうか。会社から脱税を命じられた場合、法律論はともかくとしてその会社からの給与が生活の糧の全てであるため、社命を拒否することは事実上困難かもしれません。これが給与です。
 給与の定義について、最高裁の昭和56年4月24日の判例(昭和52(行ツ)12)をご紹介しましょう。ここで給与とは、「雇用契約又はこれに類する原因に基づき使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受ける給付」と判示しています。つまり、その給付は使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価に過ぎない(結果は問われない)ということになります。
 事業所得者の例としては、税理士、弁護士等の士業報酬、映画俳優等の受ける報酬、プロ野球選手の年俸があげられます。給与所得者の例としては、いわゆる会社員、公務員等でしょう。
 また、一人の人が同時期に給与所得と事業所得を稼得するということもあります。特に昨今の働き方改革では、政府がこのようなマルチプレイヤーを厚生労働省モデル就業規則改正等で後押ししています。

【給与or外注の判断基準その1】身代わりで大丈夫?基準
2018年07月08日

大丈夫です→外注
ダメです→給与

 給与or外注について、4つの判断基準を解説します。判例や裁決例を検討すると、これら4つの基準を総合的に勘案して事実認定していることが伺えます。最初は「身代わりで大丈夫?基準」です。
 例えば、請負契約を締結して役務を提供していたところ、病気によってしばらく仕事ができなくなった場合、他の人が代わりに契約を遂行できるか、です。具体的には、税理士資格を有するAさんがある会社で役務又は労務を提供していましたが、病気になり出社できなくなりました。この人が代わりのBさん(税理士有資格者)を連れてきて、病欠の間仕事を代わってもらうことを請負元に申し出たとしましょう。
 この申し出が受け入れられる場合には、外注の可能性が高いことになります。一方、そのようなことが許されない場合(通常会社員が休暇を取り、社外の人がその方の代わりに働くことは一般常識で考えられません)には給与の可能性が高いでしょう。

 さて、この点について、電力会社の検針員を巡っての判例をご紹介します(福岡高裁昭和63年11月22日判決)。この裁判では検針員と電力会社との契約が雇用(給与)か請負(外注)かが争われました。
 裁判所の判断は請負でした。その理由は、第三者の代行が禁止されておらず、また、当該検針員は兼業も自由であったことのようです。電力会社の制服を着用しており、外形は電力会社の社員に見えても役務契約の観点では会社の従業員ではないということです。

 国税不服審判所の裁決例でも、給与or外注の判断基準の一つとして、そのほとんどが役務又は労務の代替性に言及しています。

給与or外注の判断基準
2018年06月25日

 安倍政権は、「働き方改革」の一環として、正社員の副業や兼業導入を強力に後押ししています。今年1月に改正された厚生労働省の「モデル就業規則」でも、副業を原則禁止から原則容認に転換されました。
 ちなみに、正社員が一社だけにしか労働を提供できないとは、もともと法律に規定されているわけではなく、従業員の就業時間以外の時間を会社は拘束できない以上、就業に影響がなく、競業避止義務や秘密情報保護のルールを守れば従来でも正社員の副業や兼業は可能でした。つまり、従来は従業員が勝手に会社の意向を忖度して一社専従型になっていたに過ぎません。
 ともあれ、従業員の副業については、当事務所の顧問先でも動きが出てきました。特に今年になってからです。
 具体的には、顧問先事業所の従業員が副業を始めるケース、その逆で、顧問先事業所が副業をしている人と請負契約を結ぶケースがあります。今回は、後者について、請負先に支払う場合に外注費でよいのか、それともアルバイトのように給与なのか、判断に迷うケースが出てきています。判断基準のキーワードは「総合的勘案」(個別の内容ではなく、全体として労働者として働いているのか、それとも、請負人等として働いているのか)です。
 この判断基準については、法律に明確な定めがないため、当事務所では基本的に税務通達や判例及び裁決例、税務調査等を通じた経験(office experience)に依拠しています。しかし、税務専門家として個人的には、現政権が強い政策メッセージをこめて副業を推進している時代背景(いわば官製の社会通念変更)が重要な意味を持っていると考えています。
 次回から数回に分けてなるべく平易に「判断基準」を解説します。次回では「身代わりで大丈夫?基準」について解説します。

【調停協会研修(2017.08.25)資料】遺産分割のやり直しと税務リスク
2017年09月01日

【事件の内容】
 AとBは、被相続人Cの遺産について、一旦協議による遺産分割を成立させ、その協議内容に沿って各相続人への遺産の移転(名義変更等)も完了した。
 ところがその後、Aが当初の遺産分割内容に疑義を抱き、Bに遺産分割協議のやり直しを申し出たところ、Bがそれを認めなかった為、AはBを相手取り、遺産分割調停を申し立てた。

【条項例】

  • 1. AとBは、被相続人C(平成○年○月○日死亡)の遺産についての平成×年×月×日付遺産分割協議書が合意により解除されたことを確認する。
  • 2. AとBは、被相続人Cの遺産につき、次のとおり分割する。
    • ① …
    • ② …

【税理士の視点】

  • 1. 当該遺産分割のやり直しは、「合意解除」なのか、「無効」なのか。
  • 2. 税務では「合意解除」の場合には、一旦適法に成立した合意とは別個の合意が発生したものとみなす。一方「無効」の場合には、そもそも当初の遺産分割協議の成立はなかったものとみなす。

【解説】
 今回の事例は、適法に成立した遺産分割協議書について、これを相続人全員の合意によって解除した場合を考えてみたいと思います。
 民法では、共同相続人はいつでも、その協議で遺産分割ができるとされています(民法907条①)。一方、税務では一旦有効に成立した遺産分割協議を合意解除し、再度遺産分割協議をやり直した場合、合意解除後に成立した遺産分割協議書については、遺産分割協議による取得ではなく、相続人間の譲渡、贈与、そして交換によって別個に資産が移転したと取扱われ、それによって新たな課税関係が発生したとみなされます(国税不服審判所 平成17.12.15裁決等多数)。
 以上を踏まえた、具体的な税目に関する税務リスクは次の通りです。

1. 相続税
 合意解除の場合の相続税申告については、そもそも課税標準や税額の計算が国税に関する法律の規定に違反していた訳ではないので、相続税額そのものは変わりません。つまり、合意解除の場合には、遺産の分割割合及び各相続人への帰属が変更されたにすぎず、相続税額の計算の基礎となる遺産総額、課税要件が変更されたわけではないからです。

2. 贈与税
 AとBは再遺産分割協議により、当初の遺産分割で取得した財産と異なる財産について、調停条項に記載された通りに再分割したとします。この再分割の実態は贈与、譲渡、そして交換に他なりません。この内、対価なく財産を取得、あるいはそれぞれの資産の時価評価額について差異がある場合の当該差額については、その経済実態は贈与と認定される可能性が高いでしょう。

3. 所得税
 例えば当初の遺産分割協議書では、Aが預金債権をBが不動産を取得するものとされていたとします。その後の合意解除とそれに続く再遺産分割協議によって、Aが不動産、Bが預金債権を取得する場合、Bは当該不動産を預金債権の価額で譲渡(売却)したことになり、資産の含み益についてBに譲渡所得税が課税されます。
 尚、相続を原因とする不動産の取得については、相続人が相続発生前から引き続き所有していたものとみなされるので(所得税法60条1項一)、Bの取得費は被相続人の取得費を引き継ぐことになり、譲渡所得が高額となるリスクに十分留意する必要があります。
 (参考)譲渡所得=総収入金額-(取得費(原価及び諸経費)+譲渡費用)

 ちなみに合意解除ではなく、当初の遺産分割協議書に無効原因が存在し、無効による遺産分割協議のやり直しを行った場合には、そもそも課税要件が変更されている場合があります。この場合には、当初確定した相続税申告書に記載した課税標準等もしくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていないことになります。
 その際の税務手続きは、税額が減少する場合には「更正の請求」、税額が増加する場合には「修正申告」を行うことになります(国税通則法23条1項)。

【調停協会研修(2017.08.25)資料】】 従業員の不法行為における使用者責任と税務リスク
2017年08月25日

【事件の内容】
 B(Aの使用人兼務役員)は商品配送中の事故によりCに損害を与えた。当事者間の協議では当該損害額について折り合いがつかず、結局CはA(法人)とBを相手取り、民事調停を申し立てた。

【条項例】
1. A及びBは、連帯してCに対し、本件事故に基づく損害賠償債務として、金500万円の支払債務があることを認める。

【税理士の視点】

  • 1. 当該事故に関して、業務関連性の有無
  • 2. Bの故意又は重大な過失の有無
  • 3. 物損であればその対象物

【解説】
 Bが第三者に与えた損害について、Aが被害者へ損害賠償金を支出した場合における損金算入の可否の考え方及び課税関係は次のようになります。

1. 所得税法

  • (ア) 業務関連性があり、かつ、従業員に故意又は重大な過失がある場合で、法人が従業員等に給与として損害賠償金相当額を支給した場合には、当該給与は源泉所得税の対象。ちなみに社会保険料の対象でもあります。
  • (イ) 業務関連性がなければ、給与又は貸付金。
  • (ウ) いずれにしても所得税は累進課税なので、年間所得は要検討。

2. 法人税法

  • (ア) 業務関連性があれば、法人は勘定科目「雑損失」、「損害賠償金」又は「給与」として損金計上可。
  • (イ) 業務関連性がなければ、法人は勘定科目「給与」として損金計上可。
  • (ウ) 役員に給与として支給した場合には、役員給与の損金不算入規定(法人税等34条他)が適用され、原則として損金性は否認。

3. 消費税法
 損害賠償金として合意した場合、資産の譲渡等の対価ではない(対価性がない)ので、不課税取引。したがって、当該支出については仕入税額控除の計算対象外。
 しかし、例えばCの損害がCの所有する棚卸資産等であって、これをAが買取った場合等、一定の場合にはAにとって課税仕入れとなり、仕入税額控除適用の余地はあると思われる。

【総論】
 以上の課税関係を鑑みて、税理士としては不測の課税を回避するために、当該損害賠償金については可能な限りAからBへの貸付金にしませんか、という提案をすることになります。この提案の実行可能性については、まずAとBの関係性(要するにBがAにとっていかに必要な人材か、法人が損害賠償金を負担してまで雇用したい人材か)に尽きます。
 その一方、コンプライアンスの観点では、法人は日頃から各種の就業規則について、社会保険労務士等、人事や労働法規の専門家から助言を受けることも予防の観点から必要でしょう。なにかコトが起こる前に予防する、これも経営者の重要な責務なのではないでしょうか。

 ちなみに、Aが個人事業主である場合には、故意又は重大な過失の有無が問われるのはBではなく、原則としてAになります。これは経済活動については、法人と自然人とが明確に区別され、個人事業の場合はAとBとは一体として見做されるからだと考えられます。

(所得税法45①七、所得税法施行令98、法人税34他、法人税法基本通達9-7-16他)

国税庁公開資料「税務行政の将来像」について
2017年07月03日

 平成29年6月、国税庁は財務省設置法第19条の趣旨に則り、「税務行政の将来像」(以下、「将来像」)https://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2017/syouraizou/index.htmを国税庁ホームページで公表しました。
 注目されるのは、人工知能(AI)を税務行政に積極的に活用することを宣言していること。「将来像」によると、AI導入で期待できる効果として、納税者利便性の向上と効率的な税務行政の実現を挙げています。
 前者については現在税務署に寄せられている納税者からの税に関する相談をAIで対応し職員の手間を減らす効果、後者については税務調査対象選定に関してAIの力を借りることによって「的外れ」を回避する効果が期待されているようです。税務調査については、調査対象の選定をAIに手伝わせ、それによって冤罪を掛けられた善良な納税者を守ることができるのであれば、税理士としても税務行政のAI化は歓迎すべきことです。

 以上は、税務行政の効率性向上を目指す行政サイドの話。当職はむしろ税務行政の効率化の先にある「税務行政特質論」解決の処方箋をAIが描いてくれることを期待しています。ここでいう税務行政特質論とは、「大量で反復的な課税処分を行うためには、形式的、画一的な処理が不可欠である」という「税務は他の役所に比べて仕事量がとんでもなく多いので、ある程度形式的、画一的な手続きで不利益処分を行ってもやむを得ない」という的な考え方のことです。
 この税務行政特質論が象徴的に表れる場面が、税務調査後に税務署によって行われる更正処分とその理由付記(例えば、税務調査の結果、納税者にとって追徴課税等の不利益処分がある場合、その理由の説明)でしょう。
 以前は税務行政の現場や裁判所でも税務行政特質論を受容していましたが、近年司法の場ではこの理屈が通用しなくなっています(一例として大阪高裁平成25年1月18日判決)。現在の裁判所は、税務当局が納税者の税務申告を否認するのであれば、それ相応の証拠力のある資料の提示、否認の判断基準を明らかにしてくださいね、ということです。裁判に耐えうるこれらの疎明には相応の時間と労力が必要となるので、この点税務行政のAI化は税務手続保障についても有力な味方になってくれるはずです(将来的にはAIが更正処分とその理由付記も担ってくれるかもしれません)。また、税務行政に対する批判ばかりでなく、その効率化については税理士、そして納税者も一市民の立場で電子申告等を積極的に活用し、共に効率性を求める姿勢も重要でしょう。

 当事務所の管轄税務官署である名護税務署は、内部事務処理の集中化施策の一環で多くの業務が沖縄北税務署に移管されました。そこで減った事務作業に費やしていたマンパワーを大口・悪質事案に対する深度ある税務調査等に振り向けること、税務調査に関する手続保障に費やすことは租税法律主義の観点でも好ましいことです。
 そしてこの取り組みは国税のみならず、地方税についても同様です。むしろ労働集約的な事務が行われている地方税(地方税はそのほとんどが国税の結果に税率を掛け算しているに過ぎない。)の方が効率化の余地が桁違いに大きい筈。地方税にかかわる職員はAIに代替し、その結果発生する事務系余剰人員は速やかに市民との対面が必要な福祉の現場、市民のニーズを足で探す御用聞き等に配置転換するべきです。そして納税者の代理人である税理士はその実行を税金の使い道の観点で監視する責務があるのです。

マイナンバーの提供を拒否されたら
2017年06月16日

 従業員やその親族のマイナンバー収集が容易なのに対し、支払調書に記載する会社外部の方からのマイナンバーの収集にはかなり苦戦されるようです。
 例えば、税理士、弁護士等に対する報酬、個人に原稿や講演を依頼したときの支払い等については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が5万円超、さらに個人に支払った不動産家賃については同様に15万円超と比較的少額でも支払調書の提出が義務付けられており、マイナンバーの記載も必要となります(所得税法225条、所得税法施行規則84条)。
 しかし、ご安心を。
 国税庁HP https://www.nta.go.jp/mynumberinfo/FAQ/houteichosho_qa.htm(法定調書に関するFAQ)によれば、マイナンバーの提供を受けられない場合には、➀取引相手に法定調書へのマイナンバーの記載が法律で定められた義務であることを伝え、②それでも提供を受けられない場合には、提供を求めた経過等を記録、保存すればよいとのことです。要するに、事業主は➀を文書で行い、その文書をいつ、誰に渡したのか等の記録を保存すればよいことになります。
 当然ですが、マイナンバーの提供拒否は事業主に責任は及ばないこと。そして、マイナンバーの提供拒否によって生じる不利益についてはマイナンバーを提供する側の責任で負うことは言うまでもありません。マイナンバーは、事業主が取引相手から強制的に取得できる情報ではないため、事業主が過度な事務負担を負う必要はありません。

所得税確定申告お疲れ様でした。そして増加する社会保険料負担。
2017年03月18日

 当事務所でもようやく所得税の確定申告書作成業務が終わりました。あとは3月31日期限の消費税確定申告です。消費税確定申告に関しては、所得税の申告で確定した事業所得を基礎として消費税法の適用確認と計算が主になります。したがって、ご依頼人からの資料収集に追われる所得税確定申告に比べて少しですが気が楽な部分もあります。
 そこで、まだ所得税確定申告モードが残っている内に、今回の所得税確定申告業務を通じて気付いた「増加する社会保険料負担」について解説します。

1. 多額の社会保険料控除
 給与所得や事業所得等から差し引くことができる(所得控除)金額として「社会保険料控除」があります。社会保険料とは国民健康保険、国民年金、健康保険、厚生年金保険等になります。今回の所得税確定申告業務にあたってもこの社会保険料の重「料」感は相当なもので、社会保険料は計算パターンが多く一概には言えませんが、例えば所得金額が400万円の個人事業主で社会保険料が90万円を超えているというケースも珍しくありませんでした。
 ちなみに「料」と「税」のどこが異なるのかについては、所官庁や徴収に当たっての時効と差し押さえの優先順位が異なるくらいで、概ね同じ意味と言って良いでしょう。したがって、社会保険「料」は社会保険「税」なのです。

2. 節税ならそれは税理士の仕事
 税理士はご依頼人のために法の許容する範囲で節税をすることが使命の一つです。実際に当事務所の顧問先でも節社会保険税を通して事業の仕組みを再検討し、手元にお金が多く残るようになった方も数多くいらっしゃいます。
 節社会保険税で増加した手元資金を事業に再投資 → 売上が増加 → 所得税や法人税が増えることも実際にはあります。結果として事業が拡大すること、そして、そもそも所得税等の税率は社会保険税に比べて低いこともあり、節社会保険税が事業にとって有利であることには変わりありません。
 節社会保険税についてお悩みの方、社会保険料負担に問題意識を持たれている方は是非一度当事務所の「税務相談」をお受けください。消費税等の他の税金との兼ね合いを考慮しつつ、事業の仕組みの再検討(法人化等)も踏まえ、提携している社会保険労務士とともに無理のない節社会保険税の仕組みをご提案します。

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