領収書等のスキャナ保存についての留意点

 税務に関して実務上、今年(平成28年)1月1日から重要書類(すべての領収書、請求書等)と一般書類(見積書や注文書等、資金や物の流れに直結・連動しないもの)を、一定の要件のもとスキャナ保存することが認められています。読取装置にスマホ、デジカメ、ハンディスキャナは認められていませんが、制度の使い勝手は3万円未満の領収書等に限られていた以前の制度に比べて大幅に改善されました。

 PDF等の電子データに転換すれば、領収書の紛失や劣化が避けられるだけでなく、会計事務所に記帳代行を依頼している場合には書類を届けたり、郵送したりといった手間を省くことができるため、効率的な経理事務が可能となります。

 スキャナ保存制度を利用するための手続きは、「国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請書」を所轄税務署に提出するだけですが、未だ一般的とは言えない「タイムスタンプ」がスキャナ保存に必須であることに注意が必要です。

 タイムスタンプとは、電子ファイルにタイムスタンプを付与することで、存在時刻(そのファイルがいつから存在しているのか)と非改ざん性(存在時刻から現在まで内容が変更されていないか)を証明する認証制度です。現時点ではタイムスタンプが一般に普及していないこともあって、全ての事業者が手軽に利用できるとは言えないでしょう。したがって、現時点でスキャナ保存制度を利用することができるのは、ペーパーレスで費用対効果を得ることができる一定規模以上の事業者に限定されるでしょう。

 かつて携帯電話も一般にとっては高根の花でしたが、その後は普及に伴い劇的にコストが下がりました。タイムスタンプについても当座は一定規模以上の事業者が利用する中でその利便性が一般に伝わり、利用コストが下がることを願ってやみません。