消費税節税の基礎知識(第2回目 開業初年度の還付)

 宿題を出してから1年半も経ってしまいました。再開します。
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【宿題】再掲
 パン屋さんは、開業初年度だったのでいろいろお金がかかってしまい、決算をしたら次のようになりました。

  • 売上2,160,000円
  • 経費2,700,000円(仕入や光熱費等の消費税がかかっていたものだけ)
  • パン製造設備の購入5,400,000円

 パン屋のオーナーは思いました。「赤字だけど開業初年度としてはまずまずだな。味についてもお客さんからの評判は上々だし、次期以降は期待が持てそう。パン製造設備も公庫からの借入金で買えたので資金繰りも問題なし。気になる消費税についても開業後2年間は面倒くさい申告も免除だってネットでみたし…、ラッキーだな~」

 本当にそうでしょうか。
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 まず、消費税計算式のおさらいです。
【お客様から預かった消費税-経費で支払った消費税=税務署に納める消費税】

 このパン屋さんは、開業初年度の消費税を還付(税務署から返金)してもらうことができました。還付金額は次のとおり。

  • 売上に含まれる消費税      160,000円
  • 経費に含まれる消費税     ▲200,000円
  • パン製造設備に含まれる消費税 ▲400,000円
  • 還付される消費税        440,000円

 但し、還付を受けるためには、その開業の年の12月31日まで(例えば開業が平成30年7月の場合、平成30年12月31日まで。法人であれば設立第1期事業年度終了日まで。)に「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出する必要があります。つまり、自ら進んで消費税課税事業者にならなければなりません。
 ちなみに、これは開業初年度の特例であって、原則は事業年度開始の前日まで(例えば、平成30年の事業であれば、平成29年12月31日まで)に「消費税課税事業者選択届出書」を提出します。

 また、「消費税課税事業者選択届出書」を提出すると、その後の2事業年度は免税事業者に戻れないので、この2事業年度の売上、経費、固定資産の購入についても十分シミュレーションの上、意思決定する必要はあります。

 今回のパン屋さんのような失敗例は、実際のところ非常に多く見受けられます。残念なことに、最近当事務所に相談に来られた方でも消費税の取扱いを誤り、資金繰りに困ってしまう事例(太陽光発電事業)がありました。注意してください。