【ご相談事例】不動産所得(黒字)、事業所得(赤字)の場合65万円 or 10万円?

【ご相談内容】
 アパート2室の賃貸収入があります。今年はお店(飲食業)が赤字になってしまう見込です。この場合、青色申告特別控除65万円は事業所得から引くことができないので、不動産所得には5棟10室基準に満たない場合の青色申告特別控除10万円しか適用できないのでしょうか。

【結論】
 65万円を控除することができます。

【解説】
 租税特別措置法(第25条の2)では、65万円の青色申告特別控除の適用要件について次のように定めています。

  • 1. 不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者であること。
  • 2. 正規の簿記の原則に従い取引を記帳していること。
  • 3. 貸借対照表、損益計算書、その他の計算明細書等を添付し、所定の事項を記載した申告書を期限内に提出すること。

 また、控除額は次の1、2のうちいずれか低い額になります。

  • 1. 65万円
  • 2. 青色申告特別控除額を控除しないで計算した不動産所得の金額又は事業所得の金額の合計額(これらの所得のうちに赤字のものがあればゼロとして計算)

 つまり、65万円控除適用要件の結論は、「事業所得を生ずべき事業を営んでいて(黒字でなければいけないなんてどこにも書いていない!)、正規の簿記を行い(家電量販店等で購入できる数千円の会計ソフトが自動で集計してくれる会計処理が正規の簿記!)、貸借対照表、損益計算書等(先ほどの数千円の会計ソフトが自動で作成してくれます!)を添付した申告書を期限内に提出(申告期限に遅れたら10万円しか控除できません。注意!)」となります。

 現状、5棟10室基準に満たない大家さんにとっては、新たに事業所得を得ることができるお仕事を開始することが節税のヒントになるかもしれません。
 ちなみに、会社員の方が副業で得ることができる所得については、税務署から「事業所得ではなく雑所得ですよ」と指摘を受けるケースがあります。実際問題として事業所得 or 雑所得の区分に関してはグレーな部分があり(いわゆる総合的に勘案するため)、税理士でもその見解に差が生ずることがあります。微妙だな、と感じられたら税理士に相談してみてください。