日本経済新聞(2019.06.25)が法人による短期払い医療保険に関して次のように報じています。
「国税庁が24日までに、法人契約のがん保険や医療保険について、全額損金算入できる保険料の範囲を1契約当たり年間30万円までに制限する方針を生命保険業界に通知していたことが分かった」(以上、日本経済新聞からの引用。)
国税庁が業界団体に通知した理由は、「短期払い医療保険スキーム」を制限するためと推察されます。
この節税スキームの仕組は、終身タイプの医療保険を法人が契約して2年程度の短期で払い終え、役員等の退職時に退職金又は退職金の一部として支給(名義変更)するというもの。スキームのミソは、この支給された医療保険の評価額が法人によって払い込んだ額ではなく、解約返戻金で評価するところです。つまり、医療保険は原則掛捨てなので税務上の評価額はゼロとなります。そして役員等は終身で医療保険のサービスを享受できることになります。
具体的な商品としては、アフラック生命保険株式会社「ちゃんと応える医療保険EVER」を挙げることができるでしょう。商品設計に関しては、終身保険1契約当たり2年払込で1年ごとに支払額は100万円程度、入院時1日に付き5,000円、入院一時金、手術給付金等の一般的な医療保険と同じです。
今回の国税庁の通知は1契約当たりの年間契約額に制限を掛けていることから、今後はこの制限に抵触しない商品が登場することは想像に難くありません。