さて、顧問先のカフェ(店内消費のみ)に対する具体的な価格改定のご指導を紹介しましょう。
【消費税率8%→10%の簡便法】
10月1日以降販売する商品について、全商品の価格を次のように変更する。
1.現在の値段×1.02
2.10の位まで切り上げる
【具体的に数字を入れると…】
1.コーヒー380円×1.02=387.6円
2.390円
(ちなみに、8%→10%変更の理論値は次の通り。380円×(100/108)×1.1=387.03703…円)
上記の算式に当てはめれば、10%対応+約3円の値上を同時に行ったことになります。
そして、ここから先は税理士の決め事ではなく、経営者による判断となります。判断のポイントは次のようなものでしょう。
1.「力のある商品」についてはプラスαの値上げ。一方、「力のない商品」については、価格競争力で有利になる値下げ。
2. 全体として、値上げの合計>値下げの合計、になるようにする。
軽減税率制度が適用されるコーヒーで、テイクアウト8%、店内10%が混在する場合はどうでしょうか。
上記の判断ポイントに従って消費税率10%を前提(すべて店内消費)に内税価格を改定した上、レシートの表示についてはテイクアウト8%、店内消費10%と表示する方法も一考に値するでしょう。
同様のケースについて、大手牛丼チェーンでも対応が分かれているようです。
すき屋と松屋は一部メニューの税込み価格を変更した上、持ち帰りと店内飲食を同一するということ(当職が顧問先へご指導している方式)。一方、吉野家は本体価格を変えず、軽減税率適用の持ち帰りと通常税率適用の店内飲食とで税込価格を別にするようです。