10月1日付けの日本経済新聞朝刊で、農林水産省が農家の収入が下落した場合、平均収入の8割台を補償する保険の制度設計を始めたとの報道がありました。
従来型の災害時に限定されたものではなく、保険で農家の様々なリスクに備える考え方は評価できると思います。その理由は、保険は契約なので、加入資格を満たし保険料を支払うことによって、請求事由が発生すれば約款に則って保険金が確実かつ機械的に受け取ることができるからです。
来年の通常国会に法案提出ということで、現時点では補償対象等の詳細ははっきりしていませんが、保険加入資格として税金を青色申告する農家に限定される案が有力だそうです。また、農業生産法人等、一定の規模以上の農家の利用を促す仕組みも検討されているようです。
日本の農家は、販売先を開拓しない代償として多額の手数料が必要な「農協子会社型農家」と、独自の商品開発をして自ら販売先を開拓する「自立型農家」とに明確に分かれていくでしょう。新しい保険制度が十分に機能し、後者の農家が力強く成長してゆくことを期待します。
2016
07Oct