昨今、生活環境保全、防災、そして税収(固定資産税等)の観点から問題視されているのが全国的にも急速に増加している「空き家」です。今では沖縄でも10戸に1戸が空き家です(総務省「住宅・土地統計調査」)。
また、以前ご紹介したように、所有者不明土地問題研究会(座長・増田寛也元総務相)が2017年6月26日に公表した推計結果によれば、相続未登記等で所有者が不明となっている土地(所有者不明土地)の面積が日本全国で九州の面積以上に達するという驚くべき報告がされています。
空き家のうち、かなりの割合が所有者不明土地に建っていると推測され、また、今は所有者が明らかである空き家であっても、遅かれ早かれ所有者が不明となってしまう等、時間が解決する問題ではないことは容易に推測できます。
さらに、他の地域にはない沖縄特有の事柄として、トートーメー(位牌)の存在が今後沖縄の空き家問題にさらに拍車をかけてゆくでしょう。トートーメーは伝承されるべき大切な伝統文化である一方、現代民法の個人主義を基礎とした相続と相容れないところもあるのは事実です。
今回の取材では、当事務所でお引き受けしている沖縄の相続や資産管理の実務を通して思うところをご紹介しました
2017
05Sep